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つくる記録 / SYNC / 01

Obsidianを無料でWindows・iPad・
Android同期する

Windows、iPad、Androidで同じObsidianのメモを使いたかった。月額課金なしで、内容をむやみに他人へ見せずに同期するまでの記録。

Windows PC、タブレット、スマートフォンが中央のデータ基盤を介してつながるイラスト

本番原稿を反映した掲載イメージです。

01

検索で諦めた先に、IBMがいた

ずいぶん検索した。だから、AIには聞かなかった。

いま振り返ると、妙な順序だと思う。自分で答えを見つけられなかったのだから、そこで聞けばよかった。けれど私は、見つからない時間が長くなるうちに、「これはできないことなのだ」と考えるようになっていた。

やりたかったのは、Windows PC、iPad、Androidスマホの3台で、Obsidianの同じメモを使うことだ。

条件は3つあった。

達成したかったこと譲りたくなかった理由
Windows・iPad・Androidで相互に共有するこの3台を一組として、長年暮らしてきたから
月額課金なしで使うこれからもずっと使うメモ環境だから
内容をむやみに他人へ見せない世界に向けて公開したいメモばかりではないから

先に結果を書くと、Self-hosted LiveSyncというObsidianのコミュニティプラグインと、IBM CloudantというデータベースサービスのLiteプランで実現できた。本文の暗号化と、ファイルパスの難読化も有効にした。

ただし「無料」は現時点(2026年9月)でのIBMCloudant Liteの上限内での話で、将来の提供条件まで約束されるものではない。また、モバイルはObsidianを開いたときに同期する運用になる。閉じたままの常時同期まで達成した、という話ではない。

この記録では、そこへ至るまでの遠回りも書こうと思っている。

02

好きなメモアプリで、出先でもメモを読みたい

私のメモアプリ遍歴の最初には、eSnippetというシェアソフトがある。

「窓の杜」で配布されていた古いアプリで、周囲に使っている人を見かけたことはない。それでも、メモファイルの管理の仕方と、PCでの見やすさがとてもよかった。Obsidianに出会うまで、私の中では長くこれが基準だった。

ただ、出先でも確認したいメモがある。その役割を長いこと担ってくれたのは、Evernoteだった。ただここ数年のサービスの変更が重なるにつれ、私の使い方には合わなくなりNotionに移った。けれど、Notionはどうも性に合わない。 なのでSimplenoteを使う等にしていた時期もあったが、ずっと「なんとかならんかなぁ」ともやもやした日々を過ごしていた。

機能が足りない、と言いたいのではない。 毎日使う道具には、説明しきれない相性がある。文字を置く場所が落ち着かないと、書く方まで落ち着かなくなる。

ここ数年はMarkdownで書くのが気に入っている。 なかでもObsidianが好きだ。 eSnippetで馴染んだツリー構造のメモ管理法に近く、自分のメモを自分で扱っている感じがする。

Obsidianがかなり好きになった私は、出先で見るためのメモもSimplenoteからこの好きな道具に揃えたくなった。ちょっと調べたらすぐできる。そう思っていたが、いくつもの壁にぶつかった。

と、言いたいのでこのお話は続くのだが、実はObsidianに課金さえすれば同期は何の苦労も必要が無い。 Obsidianには公式の有料同期サービスがある。 私のもやもやは万事、お金だけで解決ができる。

しかしメモアプリは、私にとってずっと長く使うもの。 つまり、動作が安定して不満が無い限り、私は一生課金せねばならないことになってしまう。 なので、私にとって無料での3デバイス同期の構築は外すつもりのない条件としていた。

まずは情報の探索を開始。 Windows⇔Android、Windows⇔iPad、それぞれの2台をつなぐ方法は比較的簡単に見かけるのに、この3台を一緒に使う、私が安心して再現できる方法はいくら探しても行き着けなかった。 Web検索、YouTube、noteやブログ、Reddit。 見る場所を変えても、欲しい組み合わせが埋まらない。

方法論が存在しないという悪魔の証明ができたわけではない。 ただ、失敗例や有料でなければできないよという記事の発見ばかりが目についてしまった。

03

書いた文章より、同じメモのコピーが増える

なぜ執念深く3デバイス同期を私が目指したのか。 それは、無料でも中途半端に共有はできていたからだ。ただ、これが極めて使い勝手が悪い。 探っていた記事にも多く報告があったのだが、特にObsidianとiCloudの同期が、私にとっても大変相性の悪い物であったからだ。

iCloudで同期を構築していた私の場合、PCでメモを編集、書き換えを行うたびに、ファイル名に連番の付いたクローンのようなファイルが毎回生まれる。整理しても、また増える。同期信号を送受信するたびに増幅していく。 更に「jsonファイル」のようなObsidian内部の設定まで複製され、後で調べた作業ログには、設定ファイルが1時間弱で40個以上に分裂したと残っている。 メモを書きたいのに、どれが正本メモでどれがクローンなのかの見分けの方に時間がかかるのだ!

最初は、PCとiPadで同時に触ったからだろうと疑った。けれどiPadの電源を切っても、PCだけで再現した。OneDriveとの二重同期も調べたが、このVaultとは保存場所が重なっていなかった。

重複の整理、関連プロセスの再起動。一時的に落ち着いたように見えても、気が付けばまたクローンが生まれている。この私の観察だけで、iCloud内部の原因を断定することはできない。ただ、私の環境でこの組み合わせを使い続けるのは難しかった。3デバイス共有の入口にするつもりが、まず2台の運用で立ち往生していた。

そこで、ようやくAIに聞いた。 皆まで言わないでくれ。最初からAIに知恵を借りるべきだった。

04

「IBM Cloudant」という、検索していなかった名前

AIとの相談で出てきたのが、IBM Cloudantというデータベースのサービスと、Obsidianのコミュニティプラグインである「Self-hosted LiveSync」のインストールだった。それはAI曰く、両方無料で利用できるサービスだった。

IBMの名は当然知っている。でもIBM Cloudantは聞いたこともなかった。 メモを共有したいだけの話に、急に大仰なデータベースサービスが出てきた。少なくとも、私が探していた「共有フォルダ」の延長にはない手法だった。

仕組みを整理すると、こうなる。

Self-hosted LiveSyncは、Obsidian側で変更を送受信する係。IBM Cloudantは、その変更を預かって、あとから来た端末にも渡せるようにする保管先。

IBM CloudantはIBMが提供するデータベースサービスで、LiveSyncからCouchDB互換の接続先として利用する。CouchDBとは文書形式のデータを扱うデータベースだ。ここで読者がデータベース用の文章を書く必要はない。普段どおりObsidianで書けば、裏側の受け渡しをプラグインが担当する。

たとえば、PCで一文を書いたあと、PCを閉じる。その変更が先にIBM Cloudantへ届いていれば、あとでAndroidのObsidianを開いたときに受け取れる。

Windows PC、iPad、Androidの変更をIBM Cloudantが中継する構成図
3台の端末とCloudantの関係

これなら、3台が同じ時間に起きている必要がない。

相談中には、端末同士で直接やり取りするP2P方式や、私が自宅で使っているNASを使っての体制の構築に関しても検討した。しかしその方式では、必要なデータを持つ端末と、受け取る端末が同時にオンラインである必要がある。端末を順番に使う私には、中央で待っていてくれる場所が欲しかった。 LiveSync公式の方式説明

つまりIBM Cloudantは、名前の立派な追加機能ではなかった。 私の使い方で3台をつなぐために、欠けていた役割だった。

それまで探していたのは、3台とも開けるフォルダだった。ここで初めて、3台が変更を受け渡せる仕組みを探せばいいと分かった。


賢明な読者は、ここまで情報があれば、あとは恐らく自力でWin-PC、Android端末、iOS端末での、無料かつ、安定したリアルタイム同期にたどり着けるだろう。 実際は、これより後の記録は「AIに色々頼んで、ごにょごにょした」以上の情報はない。 ただ、ITの専門家ではないからこそのつまづきや、思い込みによる失敗はこの後に幾つも起こった。

ここまで読んだ諸兄は、私同様に「無料」での達成が重要なはずだ。 なので、ぜひAIを呼び出してごにょごにょやってきて欲しい。

一方、IT系の読み物として面白がってくれたり、私同様に素人のつまづきで行き詰ったり、Obsidian Syncへ未来永劫課金するよりは、買い切りの情報で突破したい人は、ぜひ、noteにてご支援頂ければ嬉しく思います。

もう一度言う。 多少時間はかかるかもしれないが、AIの無料枠だけでも、ごにょごにょやってれば必ず3デバイスリアルタイム同期に必ずたどり着けます。

それでは続きはnoteでお目にかかりましょう。

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